BEAST POLICEⅡ
グジャッ!という壮絶な音がした。

周囲で見ていた通行人達が、悲鳴に似た声を上げる。

えげつない真似をしたが、痛覚の麻痺した薬物中毒者を素手で制圧するには、これくらいの事はしなければならない。

手心を加えていては、逆にこちらがやられるし、被害も拡大する事になる。

ようやく大人しくなった男を前に、小さく溜息をつく巽。

しかし。

「!?」

顔面が潰れるほどに強く踏み付けたにもかかわらず、男は平然と立ち上がって襲い掛かってきた!

またも巽に組み付き、血塗れの口を大きく開いて食らいつこうとする男。

「何だコイツ…あれだけやられてまだ動くのか…!」

流石の巽も戦慄する。

痛覚が麻痺しているにしても異常だ。

これじゃあまるで…。

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