BEAST POLICEⅡ
呼吸が出来なくなり、心臓がパンクしそうなほどに夜の路地を走って。

彼女は近くの公園にやって来た。

公園といっても、子供の遊ぶ遊具などブランコしかないような場所。

後は公衆便所があるだけだ。

こんな時間。

人など誰もいない。

美奈は、とりあえず身を隠す事を考えた。

ブランコと公衆便所。

どちらに隠れるかなど言うまでもない。

迷わず公衆便所に素足のまま駆け込む。

男子便所だったか女子便所だったかさえ覚えていない。

とにかく駆け込む。

お世辞にも衛生的な公衆便所ではなかったが、そんな事は言っていられない。

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