辛口な君は苦手です
「え、ちょっと神崎...!!」
気づいたら神崎の腕の中。
昨日嗅いだシトラスの匂いがする。
私、今…抱き締められてる…?
「優衣…」
目の前には神崎の整った顔。
次第に迫ってくる神崎の顔を見ていられなくなり、目を閉じる。
心臓がドキンドキンと脈打ってうるさい。
けど、それは密着した彼の方からも聞こえてきて…
このドキドキはどっちのもの…???
恥ずかしくて目閉じちゃったけど、、
これってキスされる時の…っ!
ピシッ
「痛っ!」
おでこに走った痛み。
今、デコピンした……!?
「……バーカ。ッゴホ
冗談だよ。
けど、その顔、他の男の前で見せんなよ…?」
「その顔って…?」
どんな顔?
変な顔してたのかな?
少しの間考えているとスースーと聞こえる寝息。
神崎が寝ている間に熱を測り、氷まくらを替え、熱冷まシートを貼る。