辛口な君は苦手です
近づく距離
―翌日―
「優衣!!
…昨日どうだった?」
登校してすぐ、恵美ちゃんがワクワクした様子で聞いてきた。
「神崎の家結構遠くてね?
傘貸してくれた日、そうとう濡れちゃったみたい…」
「やっぱり…。強がってたのね。
…で?!何かされた?」
「え、えと、名前で呼ばれて…
気づいたら押し倒されてて…
でね?顔が近すぎて恥ずかしくなっちゃって目閉じたら…
…デコピンされた。」
話しながら昨日の光景が蘇る。
…思い出しただけでも心臓がドキドキと高鳴り、
顔がカァっと熱くなるのを感じた。
「あらあら…急展開じゃない♪
…それで、優衣は神崎くんのことどう思ってるの?」
どうって…
意地悪で辛いもの好きで性格最悪って思ってたけど…
「少しは優しいとこもあるって見直した…かな?」
「そっか、これからが楽しみね♪」
恵美ちゃんと話していると…
「よぉ、糖分過剰摂取女!」
すっかり元気になった神崎の声が聞こえた。