辛口な君は苦手です
「じゃーさ!植竹さんは櫂のこと好きなの?」
ある男子の一言で櫂くん目当ての女の子たちも私の方をじっと見た。
…櫂くんのこと、好きだけどこれが恋愛としての好きなのかまだ、わからない…。
「お前ら!優衣ちゃん困ってるからやめろ!
…俺が…。俺が、優衣ちゃんにベタ惚れなだけだから!
もう、いろいろ聞いたり騒ぐのやめてくれよ。」
「櫂、悪かったな。
…植竹さんも、ごめんな?」
櫂くんの思わぬ言葉で再び沈黙が訪れ、これ以上聞いてくる人はいなくなった。
「優衣ちゃん、ごめんね?
騒ぎになっちゃって…。」
勝手な噂が立たないようクラスのみんなに言ってくれたんだよね…。
…やっぱり櫂くんて優しい人だな。
「ううん、大丈夫だよ。
ありがとう。」
「騒ぎになっちゃったけどさ、今日はこのまま一緒に帰ってもいいかな…?」
申し訳なさそうな顔で聞いてくる櫂くん。
「もちろん!
行きたいところあるって言ってたよね?」
「ありがとう。
優衣ちゃん、きっと好きだと思う!」