辛口な君は苦手です
ほんの少しのトキメキ
「おー、植竹。プリント印刷しておいたから、これを全部ホチキスでとめてくれ。
あ、あと教室のゴミ捨て行ってなかったらそれも頼む!」
「はーい」
思っていたよりも時間がかかりそう…。
終わる頃には雨が止んでくれればいいんだけど…。
プリントを教室まで運び、自分の椅子に座ってプリントをホチキスでとめていく。
これ、2年生全員分のプリントだよね。
量が多すぎる…。
パチンパチンとホチキスをとめるのも飽きてきたと感じ始めた時、
「お前、なにしてんの?」
「…小野先生に頼まれたの。」
「良いように使われてんな。ま、雑用頼みやすい顔してるしな、お前 笑」
ニッと笑い失礼なことを言ってくる神崎。
頼みやすい顔ってどんな顔だよ。
「神崎こそ、なんでまだいるの?」
「外、雨だし帰るのダリぃなって。それに、お前のことだから傘持ってきてないんじゃないかって思ってさ」
もしかして廊下で恵美ちゃんと話してた事聞こえてた…??
…意外と優しいところあるんだ…。
………と思ったのは一瞬で、神崎の次の一言で今思った事を撤回したいと強く感じることになる。
「あ、勘違いすんなよ?傘貸すために来たんじゃなくて、濡れて帰るお前の隣で傘さして帰ろうと思ってさ♪」
「…っ!!!」
やっぱむかつく!!
少しでも優しいのかもしれないと思った私が間違ってた。
やっぱりこいつ、性格悪い!