辛口な君は苦手です
「優衣、頑張ってね!」
「優衣ちゃんファイト!!」
恵美ちゃんとクラスの子達の応援を背に本部前へ向かう。
「おい、転けんなよ 笑」
「もうっ転ばないよ!」
そう言い返したのと同時に頭をわしゃわしゃされる。
「ぐちゃぐちゃになるじゃん、」
「頑張れよ。緊張しなくて平気だから」
少し照れくさそうにそう言って笑った神崎。
気づいてたんだ。緊張してたの。
授業で練習したとはいえ、本番は観客も大勢いて、私の緊張はピークに達していたんだ。
……恵美ちゃんも、クラスの子も気づかなかったのに。