辛口な君は苦手です
「植竹ー!用意できたか?」
「あ!今行く!」
最近は毎日神崎と一緒に帰っている。
毎日自分家とは反対方向なのに必ず送ってくれる神崎。
ほんと優しいな…。
喧嘩友達で言い合いをしていた時と比べ物にならないくらい優しくて素敵な彼氏になっていた。
「なんか食ってくか?」
「んー、最近できたタピオカのお店行きたい!
そこのタピオカミルクティーすごく美味しいんだって♪」
「お前はまた甘いのかよ!」
「いいのっ!好きなんだもん♪」
他愛もない話をしながら校舎玄関に向かって廊下を歩いていると
「あー!優衣ちゃん♪
これから帰るんだね!
相変わらず仲良しだねー!」
「櫂くんっ!!」
「優衣ちゃん、神崎くんが嫌になったらいつでも俺のところに来ていいからね♪
優衣ちゃんなら大歓迎♡」
「おい、室戸!!!」
神崎の不機嫌な声が櫂くんの声に被さって聞こえた。
「おーっと、これ以上いたら神崎くんに殴られそうだから俺は行くね♪
優衣ちゃんばいばーい!」
「櫂くん、また明日ね♪」