恋愛ジャーニー
自転車に乗って、川沿いの遊歩道を駆ける。
夏が終わって、刺すように痛かった日差しは柔らかく、自転車を一漕ぎするごとに受ける風がとても心地よい。
気分はとても晴れやかに、隣町のスーパーまでのミニサイクリングを楽しんでいた
……の、だけど。
「……あれ?」
突然、自転車の進み方が遅くなった。
坂道でもないのに、漕いでもうまく進まない。
無理に漕いでいると、前輪がかたかた言い出した。
これは……。
仕方なく自転車から降りて、道の片端に止めて、前輪を手でつまむ。
すると、ふにゃっとへこんだ。
タイヤを半周回すと、尖った針のような金属が刺さっていた。
「こんな何もないどてっぱらで、パンクかよ……」
ハア、と本日何度目かわからない溜息を盛大につく。