恋愛ジャーニー
「………」
「………」
気まずい沈黙が2人の間を流れる。
するといきまり、私に向かって仁王立ちをしていた彼がゆっくりとしゃがみ込んで、私と視線の高さを合わせた。
「隣、座ってもいいでしょうか」
「……どうぞ」
私の返事を聞いてにっこりと笑うと、そっと腰を下ろした。
「………」
お察しの通り初対面の人が苦手な私は、やはり何を話したらいいのかわからずに、心の中で一人うろたえてしまう。
ていうか、こんなイケメンと話すのなんてもちろん初めてだし!
そしてわたし適当な格好にドすっぴん!相手はこんなにきっちりしてるのに!
すごく丁寧な言葉を使う人だけど、内心芋娘……とか思われてるのかも。
勝手に悶々としてしまう。
「ここは時間の流れがゆっくりに感じられて、心地がいいですね」
不意に、彼がつぶやいた。