恋愛ジャーニー

「………」

「………」


気まずい沈黙が2人の間を流れる。

するといきまり、私に向かって仁王立ちをしていた彼がゆっくりとしゃがみ込んで、私と視線の高さを合わせた。


「隣、座ってもいいでしょうか」


「……どうぞ」


私の返事を聞いてにっこりと笑うと、そっと腰を下ろした。


「………」


お察しの通り初対面の人が苦手な私は、やはり何を話したらいいのかわからずに、心の中で一人うろたえてしまう。

ていうか、こんなイケメンと話すのなんてもちろん初めてだし!

そしてわたし適当な格好にドすっぴん!相手はこんなにきっちりしてるのに!

すごく丁寧な言葉を使う人だけど、内心芋娘……とか思われてるのかも。


勝手に悶々としてしまう。



「ここは時間の流れがゆっくりに感じられて、心地がいいですね」


不意に、彼がつぶやいた。

 
< 7 / 11 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop