ただいま。
「ど、して、みんな・・・」
そこまで言って、更にいくつか気づいてしまったことがあった。
ここ、あたしの部屋じゃない。
あたしの部屋は薄ピンク色の壁紙。
でもここは、真っ白の壁紙だった。
しゃべるのも、すっごくしんどい。
しばらくの間、ずっとしゃべってなかったみたいに、頭もボーっとするし、口を動かすこと自体もだるい。
これって、もしかして本当にずっと寝てた?
「唯花、覚えてないのか?」
「ありおか・・・」
「え・・・」
お母さんでも、お父さんでも、お兄ちゃんでもない。
そう聞いてきたのは、あたしの数少ない男友達の有岡。
でも付き合いとしてはすっごく長くて、これを世間では幼馴染っていうんだと思う。
「なに、を?」
「唯花、交通事故で車にはねられて、今まで4日間目が覚めなかったんだよ!?」
今度は有岡じゃなくて、詩音が口を開いた。