禁断の果実【短編】
《くっくっ・・禁断の果実を実らせる樹が3本になった・・・どれどれ・・・今度の人間はどうかのぉ・・・》




神は禁断の果実をプチッと採る。




《うまい・・・今度の人間もいいのぉ・・・それじゃあ前の人間の樹は必要ないのぉ・・》




――――バキッ





そう怪しい笑みを浮かべて樹を折った。





《そういえばあの小娘、この果実を人の血よりも赤い、とか言っていたか・・・当然だろう・・・だって人間でこの果実は出来ているんだから・・・》




神は薄気味悪い笑い方をしている。




神の笑い声が人のいない神社に響いていた。
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