禁断の果実【短編】
「綾も食べたいの?」





と美冬は言いながらその木の実を掌に置き、私に差し伸べた。





美冬の掌に置かれた木の実は林檎のように赤く。





さくらんぼよりも赤く。





人の血よりも赤い―――――。





そう、私は思った。




「だっ!!誰が!!んっ!!」




大声を上げた瞬間、口の中に木の実を入れられてしまった。




吐き出そうとしたが美冬に口と鼻を押さえられてしまった。




「っ・・・・!!美冬!!」





とうとう飲み込んでしまった。
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