*生徒会の君と甘い文化祭*
真顔になったその顔は桃の今の感情を表してるようだった。
あたしだって、負けないもん。
スタスタと歩き出す桃の後について行く。
ー****
「・・・ここ、どこだか分かる?」
連れてこられたのは中庭。
あたしたちが来た時に授業が始まるチャイムがなったから、今は誰もここにいない。
「・・・中庭・・」
「そう、初ちゃん大正解!
・・・で、桃がなんでここに連れてきたか、分かるかなぁ?」
ニコニコしながら、ぴょんと跳ねてあたしに一歩近づいてきた。
ここに連れてきて、こんな質問するってことはやっぱり・・・あたしと悠斗のこと見てたんだよね・・。
桃はあたしがなんて答えるかウキウキしてるみたい。
きっと、はぐらかしたり、謝ってもうあんなことしないからとか言うんだろうなって思ってるんだよね。
でも、今のあたしはそんなことしない。
「あたしは昨日、ここで悠斗に想いを伝えた。悠斗が好きだって・・・。
やっぱり、無理なんだよ。
何回も悠斗のこと忘れようとした、消そうって思ってた。
でも、そんなこと1回もできなかった」
あたしの言葉にムッと眉を寄せる桃。
「桃が悠斗と一緒にいるのを見て、何回も何回も苦しくなって、泣きそうになった。
忘れられないよ。好きだから、大好きだから。その想いは桃と一緒だってあたしは思ってるよ?」
正直な気持ちをしっかり言わなくちゃ。
あたしのために、桃のために・・。