*生徒会の君と甘い文化祭*



あたしが悠斗と初めてここで出くわした時に食べてたアイス。




あの時のこと覚えてくれててすごっい嬉しい。




胸が弾む気持ちになりながら、あたしもアイスを口に運んだ。




「てゆうか、アイスならチョコだろ」




少し不機嫌な顔をしながら悠斗が言った。




「そうだと思ったけど、今日はバニラじゃないとダメなの!」




「・・・・ふっ、わかっよ。
わかったけど、次からはチョコだかんな」




あたしの真剣な眼差しに負けたのか悠斗が柔らかく笑いながらそう言った。




あたしはまたアイスを口にパクッと放り込んだ。




「・・・でも、流石に寒いね・・」




「確かに、寒いかもな」




今は10月の上旬、アイスを食べるにしてはちょっとだけ肌寒いかもしんない。




その瞬間、少し強い風があたしたちの間を駆け抜けた。

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