*生徒会の君と甘い文化祭*



「うん・・・」




相槌だけをうって桃のことを思い出す。




あの日以来、桃は学校に来なくなった。




もちろん、寮の部屋にも行ったけど、出てきてくれなかった。




それから、一週間過ぎた頃、桃が転校したっていうことが先生の口から話された。




転校した学校とかも全く分からなくて、多分、桃のお母さんがうまく手を回したんだと思う。





今思えば、桃のあの最後の言葉は別れの言葉だったんだと思う。




桃とはずっと友達でいたかったのに。




「・・・ずるいよ。桃」




ポツリと言った瞬間、涙が伝った。




まだまだ、話したいことたくさんあるのに、もっと一緒にいたかったのに。




「ほんとに桃はずるいんだから!」




大声でそう叫ぶと悠斗がふっと笑った。




「そうだな、藤宮に会って言わねぇと気がすまないな」

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