優雅に舞う天使と花(加筆修正版:更新中)

「『優雅』は父親がつけてくれた。
『紅色の空を優雅に舞う天使』って
意味でつけたと直接聞いた。
俺が産まれた日は夕焼け空が美しくて
凄く綺麗だったらしい。
両親が離婚しても
母親は『名前の由来は素敵だから
大切にして欲しい。』と思って
父親の姓の『赤羽』のまま
俺を育ててくれた。」

優雅さんはそう言って

やや寂しげな表情を浮かべながら

私に微笑んだ。

***

その後別れたお父さんは

優雅さんが中学生の時に

仕事で外国赴任となり

以来会えなくなったとの事。

優雅さんの意志に任せると

お母さんは連絡先を渡したらしいけど

連絡はしていないと教えてくれた。

デリケートな思春期を

どう過ごして来たのかとか

まだ聞いてはいけないかなと思って

聞けずにいるけど

いつか私にさらけ出してくれるのかな?

そして玲花さんは

そんな優雅さんの過去を知ってるのかな?

あっ…また玲花さんに結びついてしまう。

ねえ優雅さん…。

貴方は今私が傍にいない事を

寂しがってくれてる?どう感じてる?

私は……限界なほどに寂しいよ。




< 100 / 142 >

この作品をシェア

pagetop