優雅に舞う天使と花(加筆修正版:更新中)
「…あっ、あの…優雅さん!!
聞いて下さい。
あの、私…8月になったら本社への
転属異動願を提出しようと思います!!」
私は思い切って言いたかった事を話した。
しかし、一瞬の沈黙の後に
「何だって?転属異動願だと!?」
優雅さんの驚いたような声が聞こえた。
それは喜びの驚きとは全く違う。
『お前何言ってるの?』と
今にでも言いたげな声。
うん?何かおかしな事を言ったのかな?
私はもう一度きちんと説明しようと
深呼吸を軽くしてもう一度口を開いた。
「私、8月に本社への転属異動願を
提出する事に決めました。
入社3年目になりまして
権利が与えられましたし……。」
「………。」
優雅さんは黙ったままだった。
「簡単な事じゃないのはわかってます。
一度で叶うのは難しいでしょうけど
私は本社で働きたいんです。
だから、まずは東京広報課長に
本社への熱意を話して
承認貰えるように頑張ってみます。」
うん、ちゃんと言えた。
私の気持ちが優雅さんに伝わったはず。
しかし
「……舞花…ダメだ。提出は辞めておけ。」
優雅さんが低く掠れる様な声で
私の願望を一言で否定した。