優雅に舞う天使と花(加筆修正版:更新中)

***

「…ヨシッ、篠村お疲れ!!
俺はこの後、宮脇部長達と食事に行くけど
お前はもう直帰でいいぞ。」

今日の打ち合わせに同行して頂いた

濱本(はまもと)チームリーダーから

GOサインが出て私はホッとした。

「…では、お先に帰らせて頂きます。」

バッグを出そうとした時

「…なあ、篠村。週末きちんと休めよ。
今日の篠村…いつもと様子違ってたからな。」

濱本チームリーダーが私に意味深な事を言った。

「……!!」

何?どうして?わかってしまったの?

「……。」

口ごもって黙ってしまった私に

「…今日のお前は何だか無理に自分を作って
無理に笑って没頭してるように見えた。
目も充血してる。
化粧で隠してても
若干瞼が腫れてるのもわかったぞ。」

「………。」

「あっ、変な意味ではないからな。
俺も高校生の娘がいるし
デリケートな年頃だから何となくわかる。」

と苦笑いを浮かべながら

「何があったかは知らないがサッサと帰れ!!」

そう言って濱本チームリーダーは手をヒラヒラさせる。

「……はい。」

私は濱本チームリーダーに深々とお辞儀をして

他の社員の方々に挨拶をするとオフィスを出た。
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