優雅に舞う天使と花(加筆修正版:更新中)
エレベーターを降り、1階の玄関ホールに出る。
化粧品会社とあって
清潔感があって
大理石の床が美しく輝いていた。
近くにあった自動販売機で
ペットボトルの紅茶を買った。
一口飲んで目の前を見た時
『庭園』とも呼ばれている
中庭のある大きな窓から
綺麗な夕焼け空が見えた。
あっ…。
言葉に上手く言い表せないぐらいに綺麗な
独特の紅色の美しさに
もっと近くで見たくなった私は
紅茶のキャップを締めてバッグにしまうと
真っ直ぐに進んで窓の前に立った。
「……綺麗。」
私はポツリと独り言を呟いた。
いつもより綺麗な紅色に染まる空と雲。
それはまるで
以前に優雅さんと一緒にデートした時に
夕方の海で見たあの美しい夕焼け空に
何だか良く似ているような気がした。
きっと今頃、優雅さんのいる本社の空も
こんなに綺麗な夕焼け空かな?
優雅さんも……この空を見ているんだろうか?