優雅に舞う天使と花(加筆修正版:更新中)
**…No.6

花の涙と天使の愛情


その後さすがに周囲を気にした優雅さんは

「……行くぞ。」

と私の身体を離すと

腕をやや強引に引っ張るように歩かせ

駅から借りたと思われるレンタカーの助手席に

私を押し込むように乗せると自身も運転席に乗り込み

エンジンをかけて車を走らせた。


優雅さんの運転する車はビルを離れていき

気がつくと海に来ていた。


「…少し歩くぞ?」

そう言って車を降りた私達。


私は優雅さんの繋ぐ手に引かれて

一緒に砂浜を歩いた。

微かに吹く風が心地よく、綺麗な夕焼け空が

海を鮮やかなオレンジに染めていた。

「…綺麗。」

素直にそう呟くと

「…そうだな。」

優雅さんも一言呟いた。

お互いに前を向いたまま無言だったけど

繋いだ手は温かくて

今こうして一緒にいる事が

夢じゃないと教えてくれた。


ふと優雅さんの横顔を見上げると

夕焼けが優雅さんの髪を、顔を、肌を

優しく照らした。

その光景は写真に撮りたくなるほど

とても美しくて私の胸を高鳴らせた。
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