優雅に舞う天使と花(加筆修正版:更新中)
**…No.2
花は離れていく天使に想いを伝える
***
赤羽さんの本社異動の話が出たのは
その年の10月の事だった。
「…えっ!?
赤羽さんが…本社に異動…ですか?」
いつものように赤羽さんから
指導を受けながら会議にも参加して
廊下を歩いていた時に
本人の口から突然言われた。
「…ああ。
まだ内々の話だから
内緒にして貰わないと困るが
課長から皆に伝えられて
辞令が貼り出されるのは来週月曜だ。」
「……本当に異動…ですか?」
聞き間違いだと思いたくて
つい確認してしまった私に
「…本当だ。
俺は本社の企画開発課に
来月の1日付で異動する。
お前の指導係は来月から中内が担当だ。
俺はちなみに
最終週は本社と東京の往復が増えて
いない日もある。」
そう言って赤羽さんは
「……俺からは以上だ。
篠村…指示した仕事にかかれ。」
と、普段通りに私に冷たく言い放つと
先にデスクへと戻って行った。