優雅に舞う天使と花(加筆修正版:更新中)

赤羽さんが戻って行き

緊張感から解き放たれたように私は

近くにあった椅子に

へたり込むようにして座った。


もう一度携帯を開いて確かめた。

【赤羽 優雅】

私の携帯に

ちゃんと登録されていて夢じゃない。

赤羽さんの携帯にも私の名前が…。


ああ…私…番号交換して貰えたんだ。

今になってジワジワと現実味を帯びる。


告白して、冷たい返事に傷ついたけど

『…部下以上には見れない。』

この言葉に若干グサリと

言葉のナイフが

胸に刺さるような気もしたけど

お友達にはなって貰えた。

メールや電話も期待しなければ

しても大丈夫だとわかった。


今はそれでもいいとしよう…。

私はある意味勇気を出して頑張った。

泣きたくなったけど、泣かなかった。


赤羽さんとの縁が

切れなかっただけマシだと思って

赤羽さんがいないのは寂しいけど

いつか好きになって貰えるように

今は頑張るしかないと思った。


……でも、やがて

再び切ない片想いになるとは

今この時の私はわかっていなかった。











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