優雅に舞う天使と花(加筆修正版:更新中)
花の切ない片想いと遠い進展
とうとう11月が来てしまい
辞令通りに赤羽さんは東京事業所を離れ
武内課長代理のいる
本社の企画開発課に異動した。
一方で東京広報の私は
新しく指導係になった中内さんの下で
仕事を引き続き覚えていった。
中内さんは赤羽さんより年上だけど
元々丁寧な指導に定評があり
提案書の改善点も申し訳ないぐらい
丁寧に指摘してくれた。
『赤羽さんから解放されて良かったね。』
周囲は心配してくれていたのか
赤羽さんがそもそも嫌いなのか
口々にそう言うけれど
私は…どうしても
怖くて厳しい指導だった
赤羽さんの顔がいつも浮かんでいた。
入社後から赤羽さんの指導に
慣れ過ぎてしまったあまりに
中内さんの丁寧な指導に
違和感を感じたりもした。
それよりも
赤羽さんの顔が見れない事が
……辛くて堪らなかった。
あの瞳に睨まれながら
仕事をしていたかったなんて
馬鹿な事をついつい
考えてしまっていたりもした。