優雅に舞う天使と花(加筆修正版:更新中)
はぁ…。
さっきから無駄に出るため息。
カフェラテの味もわからなかった。
本の内容も頭に入らなかった。
それくらい私の緊張は
かなりピークに達していた。
大きく息を吐かないと頭の中が
グルグルまわって
どうにかなっちゃいそうだから…。
しばらくして喫茶店のドアが
“カランカラン”と来客を知らせる。
やや息を弾ませながら
男性の靴音が私の真横で止まった。
私の為に
急いで仕事を済ませて来てくれたの?
今日私と会うのを
楽しみにしてくれていたの?
今は少しだけ自惚れさせて欲しい。
私は凄く会いたかったんだから…。
「…篠村…待たせて悪かったな。」
鋭い目を細めながら
決してニコリとも笑わないけど
私にはわかるこの人なりの穏やかな顔。
「…店予約してあるから…行くぞ。」
と、私の荷物を代わりに手に持った
その人こそ
……私の大好きな赤羽さんだった。