優雅に舞う天使と花(加筆修正版:更新中)


目の前の赤羽さんに何を言いたかったか

もうわからなくなるほど涙が止まらない。


泣いたら絶対に嫌われる。

ウジウジは嫌いだと言ってたから。


「……はぁっ。」

私の話を黙って聞いていた赤羽さんは

ため息を一つつくと突然立ち上がり

何も言わずに個室の障子を開けると

靴を履いて行ってしまった。


「……。」

終わっちゃったな…。

赤羽さんに呆れられたな…。

やっぱり二度目の告白も失敗かな…。

もうこれで…お友達にも戻れない。


すると

赤羽さんが障子を開けて戻って来た。

「…全く…お前は。」

私の前でしゃがんだ赤羽さんは

ポケットからハンカチを取り出すと

私の涙を適当に拭いた。

そして

「…とりあえず帰るぞ!!
ほら、立て早く!!」

そう言って赤羽さんは

私を無理やり立たせると

右手で双方の荷物を持って

左手で私の腕を強引に引っ張った。



何も言えず引っ張られたまま

赤羽さんが武内さんの叔母さん夫婦に

挨拶をしてそのまま私達は店を後にした。






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