優雅に舞う天使と花(加筆修正版:更新中)
赤羽さんに引っ張られながら私は
お店近くの駐車場に停めてあった
車の助手席に半ば強引に乗せられた。
無言の空気が漂う中
運転席に乗り込んだ赤羽さんは
車を発進させた。
「……。」
何も言わずに
こちらを見ようともせずに
前を見たままの赤羽さん…。
綺麗な横顏に鋭い瞳。
ネオンの灯りが反射して
赤羽さんの頬や髪が美しく照らされる。
……好きだった…大好きだった。
でも、今日でこの恋は幕を閉じる。
赤羽さんは何も言ってくれない。
私の存在はやっぱり部下止まりで
それ以上にはなれなかった。
駅まで送り届けられた時点で
この恋は報われなくなる事も決まる。
…このまま実家帰ったら大泣きしよう。
地元の空気を吸って傷を癒そう。
でも、また東京戻ったら
私は多分泣いちゃうかな…。
その時は聖ちゃんに聞いて貰おう。
事業所の同期の子か誰かに
合コンに誘って貰えないかお願いして
新しい恋に向かって
赤羽さんを忘れる努力をしよう…。