優雅に舞う天使と花(加筆修正版:更新中)
押し込まれるようにして

真っ暗な玄関に入った瞬間

………ガチャ。

後ろでドアの鍵が閉まる音がした。


真後ろに赤羽さんの気配を感じて

私の肩がビクッと震えた。

そこでようやく理解出来た。


ここは赤羽さんの

自宅マンションだと言う事が…。


「…赤羽さん。」

振り向いて口を開こうとすると


「…入れよ…さっさと靴を脱げ。」

そう言って私の横をすり抜けて

靴を脱いだ赤羽さんは

私に靴を脱ぐよう急かした。


よろめきながら靴を脱がされた私は

引っ張られたまま暗い廊下を渡り

リビングらしき部屋に辿り着いた。


赤羽さんは荷物を全て置くと

急いでスイッチを押した。


暗かった空間がパッと明るくなり

眩しくて一瞬目を細めたのも束の間

私は掴まれたままの腕を

赤羽さんにグイッと引き寄せられた。


「…キャッ。」

ずっと掴まれていた腕は離された。


その代わり

引き寄せられた私の腰に

赤羽さんの手がまわり

なぜか私は

赤羽さんに抱き締められていた。
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