優雅に舞う天使と花(加筆修正版:更新中)
「……赤羽さん?」

何を言ってるのかわからず目をパチパチさせると

赤羽さんは何かを考えるように一瞬静かに目を伏せた。


スッと通った鼻筋にシャープな顎のライン。

やや色白で、きめ細かな女性のような肌質。

薄くて形の良い唇。

切れ長の目に意外と長い睫毛。

一度鼻につくと忘れない香水の匂い。

型崩れしていないキッチリ整ったヘアスタイル。

最近は染めていないのか

少し褪せた落ち着いたカシスベリーブラウンの髪。

スラリと背が高くて

紺色のピンチェックスーツが似合ってる。


この人は東京にいた頃と変わってない。

逆に今はもっと男の色気を感じて本当に素敵だ。


武内課長代理の右腕としての

貫禄が出ているようで見惚れてしまう。

ずっと片想いしていた大好きな人…赤羽さん。


でも、私はどうしてこうして赤羽さんに

抱き締められているのかわからない。

「…赤羽さん…どうして。」

ドキドキしながら私は赤羽さんの名前を呼ぶと

はぁっ…。

赤羽さんは目を伏せたまま

天井に顔を向けて大きく息を吐いた。

そして再び瞳を開いて私の顔に視線を戻すと

後頭部に回していた手を私の頬に移動させた。
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