優雅に舞う天使と花(加筆修正版:更新中)
しかし

「それではダメだ。」

急に上司モードが出たのか赤羽さんは

「俯くな…しかも噛んでるからもう一度やり直しだ!!
俺の顔を見て呼べ…。」

そう言って

私の顎を軽くあげて上を向かせた。

「……!!」

至近距離で目線が合ってさらに私の胸が高鳴った。

すると

「なぁ…舞花…頼むから呼んでくれ。
俺の名前を…もう一度…呼んでくれ。」

さっきよりも口調が優しくなり

逆に今度は懇願するように

赤羽さんはもう一度名前で呼ぶようにと私に言った。

うん?赤羽さん?

今…私の事を『舞花』って呼んでくれた?

下の名前で呼んでくれた?

ずっと『篠村』だったのに

今『舞花』って呼んでくれた?

何だかくすぐったいけど嬉しい。

涙がウルっと込み上げてきそうだった。

今なら私も何だか呼べそうな気がした。

私はスッと軽く息を吐くと

「…優雅さん、私…優雅さんが…好きです。
今でも…私は…優雅さんが大好きです。」

私は涙が出そうになるのを堪えながら

真っ直ぐに顔を見て大好きな人の名前を呼んだ。

目の前にいる大好きな人に自分の想いを伝えた。
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