優雅に舞う天使と花(加筆修正版:更新中)
**…No.5
花が絶望に打ちひしがれる
夕焼け空の中を歩きながら駅へと急ぐ。
*(回想)*
「……優雅さんは、名前も勿論だけど
『赤羽』の苗字も凄く素敵で
私は……好きですよ。」
以前デートで海に行って
砂浜を2人で歩きながら
綺麗な夕焼け空を見ていた時に私は
優雅さんにそう言った事があった。
彼は立ち止まると、私を見て
「急に何だ?いきなり。」って
一瞬驚いたけどすぐ優しい顔になった。
「フッ、名前を褒められたのなんて
ガキの頃以来何年振りだろうな。」
一瞬だけ空に目を向けた優雅さんは
何かを思い出すように口を開いた。
「……俺が2歳の時に両親が離婚したのは、この間少しだけ話しただろ?」
「……あっ、はい。」
「父親が家を出て行って、母親と二人暮らしになったけど、小学校の高学年まで月一回だけ2人で会っていた。」
「……そうだったんですか。」
以前に家族の話になった際に
両親が離婚していた話だけは聞いていた。
『……詳しい事は今度話すから。』
と、その時は話して貰えなかった事を
優雅さんはポツリポツリと話してくれた。