幸福論
ごはんを済ませて、君がベランダに出ているときに行動した。

「ほんとにごめん!ちょっとだけ待ってて」

と言って、僕はドアの鍵をしめてカーテンを閉めた。流石にちょっとかわいそうに感じた。


君は怒るだろうけど、必ず笑顔になる、と分かっていたから。


宿の仲居さんも手伝ってくれて演出は完了した。

宿の窓際にあるテーブルと2つのイス。
そのテーブルにコップを4つ角において、それぞれにロウソクを浮かせて火をともす。

テーブルの真ん中にはケーキ。

ワイングラスも2つ借りてあらかじめ買っておいた小さなシャンパンもテーブルに。


さぁ誕生祝いの始まりだ。
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