名もない手紙
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これは、あたしが経験した
何ページにもわたる物語。
あたしはあの時、必死で
あなたに恋をした。
あの時、あたしは
何も知らないままで
あなたを好きになった。
得体の知れない、
誰かも分からないあたしに、
あなたは素敵な人だと言ってくれた。
そんなあなたを、
あたしはすごく素敵な人だと思ったよ。
あたしたちの関係は、
少し変わったものだったけど。
あたしは少しも、
後悔してない。
あの時、あの場所で、
あなたの欠片を拾えたこと、
運命だと思ってる。