お前だけ。
「タケ!」
「はよ!今日も3人で登校?」
"3人で"
「……。」
タケの言葉に沈む私。
タケは私が祥ちゃんを好きな事を唯一知ってる友達。
よく相談もしてるから、京子ちゃんの事も知っている。
「…んなへこむなって」
苦笑しながら私の頭を撫でるタケ。
そんなタケに気づいたのか、京子ちゃんが言う。
「タケだ、おはよ!」
「…はよ」
「なんだ、郁ちゃんにはタケがいるじゃん!じゃあ私達2人で学校に行くね!じゃね!」
そう早口に言うと、「ちょ、京子!」と止める祥ちゃんを無視して強引に先を歩き始める京子ちゃん。
「え…」
「あ、郁!放課後ちゃんとクラスで待ってろよ!!」
そう大きな声で言うと、祥ちゃんと京子ちゃんは先に行き過ぎて見えなくなってしまった。
「…郁、ごめん…俺が来たから…」
「…タケは悪くないよ…」
引き止められなかった私が悪いだけ