お前だけ。








それからと言うものの、何をするにも祥ちゃん、祥ちゃん、だった私は側から祥ちゃんがいなくなってしまった事で私じゃなくなっていた。




いつもは祥ちゃんが起こしてくれるのに


いつもは祥ちゃんと一緒に学校来るのに


いつもは祥ちゃんが放課後迎えに来てくれるのに




祥ちゃんがいないと、こんなにだめだめだったっけ…?




祥ちゃんがいないだけで、こんなに心の中空っぽになるっけ…




祥ちゃんがいないと…



「祥ちゃん…ッ」





こんなに寂しくて辛かったっけ。



私は鞄を持って急いで祥ちゃんのクラスに向かった。



祥ちゃんが振り向いてくれなくたっていい。

祥ちゃんが私を好きじゃなくたっていい。




私には祥ちゃんが必要なの。




ガラッ



「祥ちゃん!!」
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