お前だけ。





繋いでいた手は京子ちゃんが間に割って入った事により離れる。



「照れんなって!(笑)」


「もうおまえほんといい加減にー…」


「あ!それより英語の宿題やった?」


「…やってねーけど…」



京子ちゃんが来ると決まって無言になる。


だって私だけ違うクラスだから宿題やるとこ違うし


話に入れない



「……」



無言で俯く。


はぁ…

京子ちゃん…嫌いじゃないけどこーゆーとこやだなあ…
わざわざ間に入るとこ。

祥ちゃんといれるの朝と放課後くらいなのに。

京子ちゃんなんて同じクラスだから一日中一緒にいれるのにさ。



「はぁ…」



憂鬱そうにため息を吐く郁。



「郁!」


「?…!」



ふいに名前を呼ばれて振り向くと、同じクラスのタケがいた。
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