想ぃ玉
◇運命◇
−足元は一面の花畑−
遠くから白馬に乗ってやってくる王子様。
『亜弥…』
手を伸ばし.王子様に抱き着こうとするあたし。
『…佐藤』
ぇ?苗字?
まぁぃぃ。
王子様とあたしの手が重なりそうになる−
「佐藤!!!」
ばしっ!!!
王子様があたしの手をひっぱたいた…
と.同時に目が覚める。
「痛ッたぁ…っ」
…て
…え(・ω・`)
ぇえぇ!?(゚ω゜)
目の前に居たのはもちろん王子様じゃなく
担任の数学教師.武田っち。
50代後半のぉじさん先生だけど
まだまだパワフルな奴だ。
「もう一回叩かなきゃ目が覚めないか?」
武田がちょっとあたしを睨む。
手には教科書…の角であたしの手を叩いたらしい。
「や.覚めてます…ずっと」
むくりと体制を整える。
斜め前の席.親友のさやがにやにやしてる。
「馬鹿。佐藤はしばらく立ってろ。」
武田が黒板の前に戻った。
「あ-ぃ…」
小さく返して椅子を引く。
ぎぎっと耳障りな音がして.一瞬隣の席の子に迷惑をかける。
だるい…眠い。
あたしはぼ-っと窓の外を見た。
叩き起こされたからって反省して
授業を聞くわけじゃない。
地域での学力平均も並の私立 華城高校。
校則も緩くて.自由な学校に入って1ヶ月。
あたし
佐藤亜弥は.
かなり毎日を満喫中
中学の頃はかなり校則が厳しくて.
真っ黒な髪に膝まであるスカート。
19時以降の外出なんてもってのほかだった。
でも今は真逆。
中学から一緒のさやと一緒に.春休み中に
ブリ-チ剤で金に近い髪色にして.
スカ-トは買ったときから膝上25センチ。
バィトもやってないから夜は遊び歩いて…
毎日が色んな意味で忙しい。
楽しい
悩みは1つだけ…
彼氏がいない。
別に機会がないわけじゃない。
華城は共学だし。