ムラサキに 恋をした


「……で?」



佐野が顔を近づけてくる



「…え?」


「で?何に悩んでんの。本当は塾の事じゃないでしょ」


(あ〜…)


「……何でそう思うの」


「なんとなく!直感で!」


(…佐野にはお見通しかぁ…)


「いや…まぁ…それが…」



言いかけたところで


キーンコーン。チャイムが鳴った



「あっ、じゃあ今日の放課後聞くわ!」


「あ うん…」



きっかけはともかく、今では佐野とすごくいい友達になっていた


もちろんクラスの他の人達とも仲はいいけど…


佐野は気を遣わず話せる数少ない人だった

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