僕らの明日の話をしよう
さも当たり前のことのように言って、「行こう」と光太が先に歩き出す。
その背中に、胸がきゅうっと苦しくなった。
一緒に……これからも一緒に、学校行けるんだ。
そういう風に、光太が自然と考えてくれたのが、たまらなく嬉しかった。
「あ、そうだ」
ふと、光太が立ち止まって顔だけ後ろに向けて来た。
「ん」
そして左手をこっちに伸ばして広げてみせる。
「……なに?」
「手。せっかく毎日一緒に行ってんのに、手ぇ繋いでないなーと思って」