僕らの明日の話をしよう

ニカッと笑う光太が、中学の頃の彼と重なった。


あーあ。

ずるいなぁ光太は。


笑顔ひとつで私の心をつかむんだから、ほんとずるい。


頬が熱くなるのを感じながら、その大きな手をとった。




「……かっこいいね、光太」


「えっ!?」


「キラキラしてる光太、かっこいいよ」



勇気を出して言ったのに。

にへらと笑う光太は、そんな私の勇気になんか全然気付いてない。




「な、なんだよ綾センパ~イ。

いまさら俺のかっこよさに気付いたわけ?」



あ、いま調子乗ったな。

< 136 / 467 >

この作品をシェア

pagetop