僕らの明日の話をしよう


「あ。ここだ」

「え……ここって」



広い構内の奥。

2階にあった重そうな扉の向こうから、賑やかな声援が漏れ聴こえてくる。



「じゃ、行こっか」

「ちょ、セ、センパイ……?」




扉を開けて、戸惑う光太を強引に中に押しこんだ。




「うわ……すっげぇ」



思わず、といった感じで漏れた光太の呟きに笑う。



「広いよね。高校の体育かんとは全然ちがう。
普通に公式戦が出来ちゃうんだもん」



ここは明修大学アリーナの2階。

観客席だ。


そして1階のコートでは、いままさに試合が行われていた。

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