僕らの明日の話をしよう
私……無事にここから帰れるかな。
忍くんのファンにからまれたら嫌だなぁ。
「が、がんばってね」
引きつりながら手を振り返したら、強く肩をつかまれた。
え……光太?
なんでそんな怒った顔してるの?
「なんでアイツの試合なんて観に来てんだよっ」
「忍くん? 観に来いって誘われたから」
「俺は別に観たくもねーし!」
「そっか……。じゃあ、私ひとりで観に来ればよかったね」
「いや、それはそれで……ムカつくし」
思いっきり唇を尖らせて、下の忍くんを睨みつける光太。
ほんとに正直者なんだから。