僕らの明日の話をしよう
「お母さん、来てる?」
「俺と入れ違いで、綾センパイの服とか取りに帰ったよ。
センパイ、今日は入院だって」
「入院……?」
ちょっと、びっくりした。
そんなに悪いのかな、私の身体……。
光太が強く、私の手を握り返してくる。
光太の手がすごく温かく感じるのは、私の手が冷たすぎるからなのかな。
「センパイ、なんか病気なんじゃないの?」
真っ直ぐな瞳に見つめられて、ぎくりとした。
動揺を見透かされないように、自然に自然にって、意識しながら目を伏せた。
「まさか。ただの貧血だよ」
「貧血って、こんな輸血したりする?」
「貧血だから輸血するんでしょ?
言ってなかったけど、夏休み辺りから貧血で病院に通ったりしてたんだよ」