僕らの明日の話をしよう

「あ」



みちるの声に顔を上げると、見覚えのある子たちがいた。

2年生の女子だ。


光太と同じクラスで、富田さんと一緒にいた子たち。

彼女たちも私に気付いたみたいで、すれ違う時小さく頭を下げてくれた。



「富田って子。学校辞めたらしいね」


「……うん」



光太は何も言わなかったけど、学校側からそう報告を受けていた。

あのあと富田さんは学校に来なくなって、そのまま退学していった。


残ったあの子たちは、目立たないように学校生活を送ってるみたい。


私を監禁したってことは噂になったけど、彼女たちに嫌がらせとかはないみたいで、少し安心した。


それでも居心地の悪さは、あると思うけど……。
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