僕らの明日の話をしよう
好きって気持ちが溢れて、口から零れていた。


光太はなぜか、それに苦しそうに顔を歪める。



「光太……?」


「だめだよ、センパイ。そんな目で俺を見ちゃだめだって」


「だめって……どうして?」


「だって、俺……我慢できなくなる」



私を見下ろしながら、光太がそんなことを言うから。

雰囲気が崩れるのも忘れて笑ってしまった。



「笑いごとじゃないよ!」


「ふふふっ。だって、おかしいんだもん。
我慢なんてしなくていいのに」


「だ……だめ、だろ。
だめだめ、絶対だめ」


「どうして?」


「どうしてって……そんなの決まってんじゃん!
俺、いますげーギリギリなのに。抑えきかなくなったら、センパイのこと壊しちゃうよ……」



壊していいよ。

そう言おうとして、言えなかった。


光太が私のことを、本気で考えてくれてるのがわかったから。



「綾センパイ、風呂あがった時ちょっとフラついてたのわかったし。
移動中も笑って隠してたけど、つらそうだったよね」
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