僕らの明日の話をしよう
「……気付いてたの?」
「当たり前じゃん。センパイが思ってるより俺、ちゃんとセンパイのこと見てんだよ」
「そっか……」
「俺、ほんと、綾センパイのこと大事にしたいんだ。壊したくない。
センパイにつらい想いさせたくないんだよ。
こんな細い身体に、俺……」
私の手首を強くつかみながら、光太がうなだれる。
うまくいかないね。
もっと簡単に、過不足なく、気持ちを伝えられたらいいのに。
いつだって、どうにもそれがままならない。
「こんな身体じゃ、抱けない?」
「ちがう! そうじゃなくて……っ」
「これも込みでプレゼントって言ったら、笑う?」
光太へのプレゼントで。
私自身へのプレゼントでもあって。
そういう思い出も作りたかった。