僕らの明日の話をしよう

「なんかすげー、感動して……」


「うん」


「綾センパイが、好きすぎて、もうどうしようもない」



光太の背に手やって、抱きしめ返す。

私の閉じた瞳からも、涙がこぼれ落ちていった。



好きって言葉を。

この夜私たちは、一生分口に合ったと思う。


それでもまだ言い足りないくらいで。

でもこれ以上の言葉を知らなくて。


声が枯れるまで、言い続けていた。



寒くて、綺麗で、温かい。


北海道で過ごす最初で最後の夜は、そんな風に私の中に染みこみ溶けていった。





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