僕らの明日の話をしよう




光太は本当に疲れていたみたいで、私を抱きしめ深い眠りについたけれど。


私はもったいなくて、眠れなかった。

光太の温もりに包まれて、残酷なくらい幸せな時間を味わった。



午前5時。


まだ日ののぼらない時間に光太を起こして、しっかり防寒をして外に出て驚いた。

世界が白く染まっていたから。


羊蹄山だけじゃなく、建物や木、車に道路。

平地すべてに雪が薄く積もっていた。



「夜中に少し降ったみたいだよ。
すぐ溶けるだろうけど、お客さん、ラッキーだったね」



そう言ってくれたのは、予約していた熱気球の会社の人だった。

本当はこの時期熱気球のフライトはやっていないのに、
私があまりにしつこくお願いしたから、折れて引き受けてくれた人だ。

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