僕らの明日の話をしよう
狭いバスケットに乗ると、ゴウッとバーナーが音を立てて燃え、気球はゆっくり浮かんでいった。
無意識のうちに、光太と抱き合って。
寄り添いながら、薄い紫に染まる幻想的な朝やけを眺めた。
日の出とともに、一面に積もった真っ白な雪が、目に痛いほどキラキラと輝いて。
知らず知らず、涙がこぼれた。
光太と一緒に、光太に抱かれて、こんな美しい景色を見ることができて。
冗談でもなんでもなく、
いま死んでも構わない。そう思った。
そんな幸せな死にひどく憧れ、泣いた。
思い出は白く染まって。
私はそれを、大切に、離さないように、抱きしめた。
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