僕らの明日の話をしよう
光太はもちろんスタメンじゃないけど、ベンチ入りが出来てここまで試合にも何度か出ているらしい。
次の試合はこっそり観に行く予定なんだ。
朝錬が始まって学校に一緒に行くことはなくなったのは寂しいけれど、実はほっとした自分もいる。
私もこれからは本格的に受験勉強に取り組むって光太には伝えた。
少しずつ距離を置くには、良いきっかけだったと思う。
「がんばれ、光太」
ここにはいない大切な人に、届かないエールをもう何度送っただろう。
私の役目は残すところ、あとひとつ。